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疾病薬剤私の足跡 (個人として)私の足跡 (組織の中から)私の独り言資料

 このページでは医療制度や考え方に関しての私が感じている問題点や私の考え方について記載します。県小児科医

会会長という半公的な役職から離れた機会に自由な立場で発言出来るようになりました。私自身がドグマに陥っている

かもしれません。共鳴して頂ければ幸いです。 なお、医療関係者以外の方は内容が若干難かしいかもしれませんが、

ご容赦願います。

 
医師会の政党支持について倫理審査委員会について予防接種を大腿にしない訳
 
倫理審査委員会について    
   我々学生の頃は全国学園闘争の真只中で過ごし、医学を学び “医学とは?”“医療とは?”“日本の医療

は?”“医局制度は?”とストライキ中の教室で意見を交わし、過去の学問の名目での行われた忌まわしい

医学の汚点“九大生体実験”“731部隊”等を知り、また”ソクラテスの誓い”、”ヘルシンキ宣言”等を大学の

授業の外で学んだ。指導的・教育的立場にある大学等はこれら過去の教訓を忘れてはならない。個人・組

織の名声の為の意図的な論文の盗用・データーの捏造等人の倫理から明らかに逸脱した行為の発覚と、

時の個人情報の必要以上保護の風潮ため厚労省から”人を対象とする医学系研究に関する倫理指針“が

通達された。その倫理指針の通達に従い学会、大学、基幹病院などすべて倫理審査委員会を設け、公的な

所ではそこでの手順を踏んで許可された者しか口演、論文にできなくなった。 

 我々臨床医は若い頃、その臨床医としての経験を積む為と地域医療体制維持の為、基幹病院、地域病

院そして大学の医局を1年毎転々とローテートしていた。一人医長として赴任した病院で珍しい病気や診療

上の工夫等を思いつき過去のデーターをまとめて公表する場合、小さな地域病院や診療所では倫理審査

委員会もなくもしあっても個人情報やその承諾などで倫理審査委員会の認可基準は通らない。倫理指針は

若い臨床医の臨床への意欲や疾患への探求心を削いでしまっている。そもそも政治が学問をその発表の

機会を制約することは憲法23条(学問の自由)違反である。学者の団体学術会議や学会の自主規制として

の内規による“倫理指針”ならともかく、行政が主導・制約するのは憲法違反である。なぜ学会や大学やそ

の親玉である学術会議は声を上げないのだろうか。学術会議理事選任に関して行政の介入も同様である。

学術会議が発足した経緯を忘れたのだろうか!行政が、政治が学問の自由を脅かして戦時中の忌まわし

い出来事を繰り返してはいけない!
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医師会の政党支持について
   私は地方都市の医師会の理事を20年近くその終わり4年は総務理事と医師連盟の執行委員をさせて得

戴いた。医師会(医師連盟)は医療に対する主義主張は共産党とほぼ一致するものの、やり方に不満があっ

てもいつも主権政党(自民党)支持です。ある時今度の選挙はどの政党の後援をするかを執行員会で話し合

いました。その時はカジノ法案の推進が自民党の公約の一つになっていました。 私はカジノ法案を撤回す

れば後援しても良いが、撤回しなければ後援しない。条件付き指示があっても良いじゃないか? 教育にお

ける精神保健も扱っている医師会がカジノ法案に賛成して良いのか? 盲目的支持は如何なものか?・・・

と提案したが「イエス」か「ノー」の2拓しかないのとの事。法案を作成した官僚もそうであるが、審議している

国会議員の大部分が超の付く最高学府卒でその頭脳の偏差値は我々一般日本国民とはかけ離れて高い

はずである。それ故常識的判断力、倫理的判断力そして模範的人格をも求められている。しかし、力関係

の国会では数増やしの為の人気投票的な所があり、業界、団体、宗教の後ろ盾でなれた議員、弁が立ち口

先一丁だけの議員もいる。要領ばかり上手で大学まで登り詰めた議員もいる。決して人格が優れた聖人君

主的議員ばかりではない。その中でも党や派閥があり、そのリーダーを選ぶにしてもいわゆる派閥の論理

が働いている。その選び方は経済学者ケインズが言うように誰が選ばれるかを考えて、そして上手く勝ち馬

に乗ろうとする人選である。 

 また、法を創る人(議員)が法を知らない発言をする事をよく見かける。また法に抵触しなければ正義だとい

わんばかりの人もいる。第一次大戦の教訓から生まれた人権と自由の理想的な民主主義的と言われたワ

イマール憲法の元でヒトラーは合法的にあのナチスを台頭させた。米国のトランプ前大統領の所業及び共

和党員の次期選挙の為の非倫理的保身行為は模範的民主主義と言われていた国の化けの皮を剥いだ本

質の一面が見え、いつ何時戦争を仕掛ける国になるかもしれないし、いつ何時仕掛けられるかもしれない状

況にあるんだという危惧をもった。 

 我々は選挙で人を少なくとも参議院選挙で人を選んでいたのに、いつの間にやら政党を選ばせられるよう

になった。政党政治では我々が人を選んでも議決に党議拘束で議員個人の主張が消されてしまい、社会倫

理からみてそれに反する法案や健保違反の法案も成立し、いつの間にやら戦争の準備が整えられ再び歴

史を繰り返そうとしている。    
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予防接種を大腿にしない訳    
  予防接種を大腿にしない訳


 私が大学を卒業した1973年頃、大腿部への抗菌剤、解熱剤等の注射による大腿四頭筋拘縮症が話題

になっていた。元々昭和21年に症例報告がなされ昭和22年に大腿への筋肉注射が原因でないか推定は

されていたが、1970年代に東大第三内科の高橋晄正講師が表面化させ全国各地からの報告もあり社会

問題化していた。1977年厚生省は筋拘縮症被害患者は9657名。他に自主検診によって8583名と数万

人の患者が想定され、全国各地で責任追及と損害賠償を求める訴訟が起こされ、東京地方裁判所(山梨

筋短縮症訴訟1985)、名古屋地方裁判所(1999)では患者側の敗訴も控訴審で和解となる。福島地方裁判

所(白河筋短縮訴訟1983)は、福島地方裁判所国、製薬会社の責任を認めるも、控訴審で和解。また、京

都滋賀筋短縮症訴訟(1996)も和解。となり和解の条件はどれも被告製薬会社は和解金が被害者に支払

われた。そしてもう一方の被告の国には結論として国及び医療側の責任はなく、過失はないという結論に

なってしまったが、筋短縮症の原因を筋肉注射と認識している。その間に1976年日本小児科学会筋拘縮

症委員会から「注射に関する提言(Ⅰ)」「注射に関する提言(Ⅱ)」が広報され、その中で「筋肉注射に安全

な部位は無い」「筋肉注射は安全な年齢はない」と明言し1983年は同会会誌に38頁に及ぶその解説文を

載せている。その解説文の中で引用され、また裁判の中でも全国各地の大学整形外科から筋肉内注射

による筋拘縮症についての臨床研究や基礎研究の多数の論文が採用されている。 

 しかし2019年日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会から「小児に対するワクチンの筋肉内接

種法について」という論文が掲載され、世界的に予防接種は筋肉注射で行われている標準接種である。

1970年代の筋拘縮症騒動では予防接種によるものには言及されていない。だから予防注射の筋肉注射

はOKなんだと論点を変え、筋肉注射の方法を図示までしている。 

 一方添付文章・予防接種実施規則では小児の定期接種は皮下接種と記載され、どこにも筋肉注射とは

記載されていない。さて大腿への接種は法的に問題はないのであろうか。乳児期の経口外で接種するワ

クチンは不活化ワクチンばかりで、不活化ワクチンは接種後しこりを形成することが多く、筋組織ではダ

メージ=筋拘縮を起こすことは必然である。私は筋拘縮症の事実を逆に世界へ発信すべきだとも思って

いる。 

 以上の事柄などで私は大腿四頭筋への接種は原則行っていない。

[参考文献]

津山直一、他。注射の功罪-大腿四頭筋拘縮症をめぐって-.東京大学出版会.1976

日本小児科学会筋拘縮症委員会. 筋肉注射に関する提言の解説. 日児誌 82(6):628-632,1978

日本小児科学会筋拘縮症委員会. 筋拘縮症に関する報告書. 日児誌 87(6):1067-1105, 1983

日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会. 小児に対するワクチンの筋肉内接種法について(改訂版)(2019年7月28日付). http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/201908_kinnnikunaisesshu.pdf

筋短縮症事件 医療改善ネットワーク薬害資料館 接種禍・注射被害事件, https://www.mi-net.org/yakugai/dacases/injection/injreduction.html
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