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ウイルス性胃腸炎ウイルス性感染症感染性胃腸炎細菌性腸炎細菌感染症と抗菌剤自家中毒(アセトン血性嘔吐症)溶連菌感染症

このページでは各種疾患の診断に関しての問題点、治療の問題点などについて記載します。    

医療関係者以外は内容が若干難かしいかもしれません。    

医療関係者以外の方は希望的観測で都合の良い方良い方に物事をとらえないで下さい。     

教科書的・標準的な診断・治療に関しては他クリニックや学会のホームページなどを参照して下さい 。  

 
細菌感染症と抗菌剤
  ・細菌感染症とは  

   細菌感染症は生体の反応として原則として白血球数の増加があり炎症反応(CRP)が高くなります。発

  熱してから時間が短いと生体の反応が弱く、炎症なしと判断される場合があります。その為全身状態が良

  い場合確実な結果を得る為(血液検査は痛みを伴う)、時間を経てから検査する場合があります。細菌に

  はウイルス(インフルエンザ、水痘、AIDS以外)と違って抗菌剤でその増菌を抑えることができます。細菌

  は栄養があれば増菌できるので、生体の菌自体が細胞にダメージを与え、重症化することがあります。

  Hib(
ヘモフィルス)やPcV(肺炎球菌)は進行が早く乳児期早期に多く発症するので生後2 か月から予防接

  種を始めているのです。 


・細菌の種類

    
一概に細菌感染症と言っても細菌は沢山種類があります。呼吸器(中耳炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎

  等)に感染することが多い細菌。消化器(細菌性腸炎)に感染しやすい菌、尿路系(腎盂腎炎、膀胱炎)

  感染しやすい菌、皮膚(化膿、膿瘍)に感染しやすい菌色々あります。また。その菌は年齢によって、また 

  基礎疾患によって菌の傾向が違ってきます。一方で人間の体は細菌と共生しており、例えば腸にいる細菌

  1ml
当たり1001000種類    の細菌が1012乗~ 13乗いて消化吸収に役立てたり、ビタミンを作っ

  たりしています。

・抗菌剤の選択

   我々医師は抗菌剤を使う時、所見はもとより年齢、感染臓器、季節、周囲の流行を考慮して病原菌を想

  定し、そして善玉の細菌に影響の少ない抗菌剤で 耐性の少ない抗菌剤を使うようにしています。その為

  なるべく抗菌スペクトラムの狭い抗菌剤を使用するようにしています。最近広域の抗菌剤使用使い過ぎや

  不要の抗菌剤の使用 で耐性菌が増えて問題になり、国際的にその適正使用(AMR)が謳われています。

  使わない事が善の様な表現ですが、必要な時 には使うべきで。根拠をもって使うべきです。AMRでは統

  計的に自然治癒するから抗菌剤の使用しない様主張しているが重症化するものに関しては例外があって

  はいけない。実際一部で抗菌剤を使わない競争が起きてしまっている。

・抗菌剤の選択

   我々医師は抗菌剤を使う時、所見はもとより年齢、感染臓器、季節、周囲の流行を考慮して病原菌を想

  定し、そして善玉の細菌に影響の少ない抗菌剤で 耐性の少ない抗菌剤を使うようにしています。その為

  なるべく抗菌スペクトラムの狭い抗菌剤を使用するようにしています。最近広域の抗菌剤使用使い過ぎや

  不要の抗菌剤の使用 で耐性菌が増えて問題になり、国際的にその適正使用(AMR)が謳われています。

  使わない事が善の様な表現ですが、必要な時 には使うべきで。根拠をもって使うべきです。AMRでは統

  計的に自然治癒するから抗菌剤の使用しない様主張しているが重症化するものに関しては例外があって

  はいけない。一部で抗菌剤を使わない競争が起きてしまっている。 

・使用が制限されている抗菌剤

   年齢的に使用していけない抗菌剤が平然として使われていることがあります。8歳未満のテトラサイクリ

  ン系の歯牙不可逆的黄染化。小児の関節軟骨の発育障害をひきおこすキノロン系薬剤。低カルニチン血

  症を引き起こすピボキシル基のついた抗菌剤(フロモックス、トミロン、メイアクト等)はこれ自体で低血糖を

  おこす可能性もあるが、水痘やインフルエンザ罹患時に使用すると脳症やライ症候群の引き金になるかも

  しれない。

・抗菌剤の投与期間

   細菌感染症が種々の検査等から抗菌剤を使用した後いつまで抗菌剤を使用するかの問題です。入院な

  どではCRPの陰性化を確認してから以前は抗菌剤を中止したり退院を決めたりしていましたが、外来では

  どうするかです。起炎菌と抗菌剤が合っていれば(耐性菌でなければ)発熱などの症状は軽減するので す

  が、症状がなくなったからといって病原菌が体内から全て居なくなったとはいえません。薬剤により臓器内

  濃度が違うからです。

   
人間の体には自然治癒力もありますし、確かに〇〇炎は何日間とText(Nelson,Rudolph)に記載してある

  のもありますが、根拠があっての記載ではありません。検査をして抗菌剤の中止を決めるのも一法だと思

  いますが、医師個人個人の経験側で投与されているのが実情です。

・抗菌剤の投与回数

   抗菌剤は1日3回服用は24時間を大体3回に分割して服用します。朝食時・15時頃・就寝前です。1日2

  回は朝と夕~就寝前です。体内の吸収と排泄の増減でも体内の薬剤濃度が一定の殺菌(静菌)濃度を保

  つようにとその投与回数が決められています。原則としてペニシリン系、セフェム系、アミノグリコシド系、カ

  ルバペネム系の抗菌剤は時間依存性抗菌剤で細菌への最小阻止濃度以上を長い間保つことが重要です

  。これらの薬は1日3回から4回服用します。服薬時間の都合で3回を2回にする事はありません。また、マ

  クロライド系やキノロン系は濃度依存性抗菌剤といわれ、血中の 最高薬剤濃度で除菌力が左右されると

  されています。また、食後お腹が一杯になったら服用してくれないから2歳までは食前としてするのが普通

  です。

 [参考文献]
厚生労働省健康局結核感染症課.抗微生物薬適正使用の手引き2nded.2019
吉田均 他. 小児上気道炎および関連疾患に対する抗菌薬使用ガイドラインー私たちの提案. 外来小児科 :2005:8:146-173
Wallman I.S. et al. Teeth pigmented by tetracycline. Lancet 1962; 1: 827-829 2019
Skinner H.C.W.et al. Tetracyclines and Mineralized Tissues:Review and Prospective The Yale Journal of Biology and Medicine 1975:48:377-397
American Academy of Pediatricus. Antimicrobial Agents and Related Therapy introduction. Red Book 29th ed 599-601,2012 
日本小児科学会薬事委員会. ピボキシル基含有抗菌薬の服用に関連した低カルチニン血症に係る注意喚起. 学会からの提言・主張2019     http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20190820pivoxil_chuikanki.pdf(参照 2020-06-15)
ピボキシル基を有する抗菌薬投与による 小児等の重篤な低カルニチン血症と低血糖について. https://www.pmda.go.jp/files/000143929.pdf#page=1 参照2020-06-15
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ウイルス性感染症  
   ウイルス性の疾患は インフルエンザ、水痘、AIDSを除いてウイルスを退治する治療法はありません。細菌

感染症はその細菌を 殺すお薬があります。ウイルス感染症は自分で抗体を作ってウイルスをやっつけて治癒

していきます。その間現状を維持できるよう体調を整える対症療法のみです。ウイルス性の疾患はインフルエ

ンザ、水痘、麻しん、おたふく風邪、ヘルパンギーナ、手足口病、他沢山あり、発熱している疾患のほとんどが

ウイルス性の疾患です。残り数%が細菌感染症と言われています。またウイルス性疾患は潜伏期間、発病期

間、症状、抗体産性、抗体維持、再感染性等夫々個々のウイルスで特有のものがあります。ウイルス性疾患

は季節性があり、大多数の小児科医はその時その地域で流行している感染症を熟知しています。

 我々は発熱(感染症)のお子さんを診察する時、ウイルス性の発熱か細菌性の発熱かを見極めるためにそ

の熱の経過とその他の症状を聞きます。発疹などで診断がつくものも多いのですが、異常な経過ではないか、

他の疾患の可能性を含めて経過を聞いています。そしてそれで説明できなければ、通常診察前に聞いている

予防接種歴や周囲で流行しているものを参考にします。

 インフルエンザやRSウイルスの様にウイルスがいるかどうか調べる抗原検査で診断する疾病があります。

しかし発病当初にはウイルス量(抗原量)が少なくて検査しても陽性にならない場合があり、時間を待って検査

をする場合があります。また、血液検査も細菌性の場合は炎症反応が陽性に鳴って来るのですが、時間が早

いと生体が反応する前で陰性だから陰性と言い切れない場合があります。そういう意味で高い熱があって細

菌性の物を疑われるかあるいはインフルエンザの様に治療法がある疾患を鑑別する場合、状態が良ければ

諸検査はある程度時間を経てから検査する場合があります。
ウイルス性の疾患は原則として血液検査で白

血球の増多はなく炎症反応(CRP等)はありません。
 
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ウイルス性胃腸炎  
   ウイルス性胃腸炎はロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスが外来で検査できるがそれ以外にサポウイ

ルス、アストロウイルス等他に色々あるが研究所レベルの検査である。どのTextもウイルス学的な記述は多

いが臨床的な記述はそんなに詳細ではない。夫々の違いは基本的には潜伏期間、嘔吐(吐気)、下痢の期間

的長短があるだけであり、せいぜい潜伏期間の記載されている位でアデノウイルス(3-10)を除いて1-3日で

ある。経過のしての下痢、嘔吐に関し記載は少ない。以下の記述は個人的な見解かもしれない(とは思ってい

ないが…)。殆どのウイルスは嘔吐から始まる(嘔吐のないものもあるが、アデノウイルスは少なく程度も軽い)

。吐き気、腹痛で始まる場合もある。吐物は12時間前(中には18時間前)の摂取物を嘔吐することも多く、そ

の吐物を摂取した時の食欲は異常にある場合も多い。ロタウイルスの場合は半日~1日位で激しい下痢に移

行し(3-20α/dで1-2日目が一番激しい)、7日位で徐々に収まっていく。ノロウイルスは発症した日が嘔吐が

激しく計4日間で吐き気が収まり、下痢は軽微なことが多い。どのウイルスも発熱は発症後半日位して半日位

38.0
39.0℃出る事はあるが、脱水がなければ続かない。

 成書には嘔吐、下痢、発熱と殆ど夫々独立した症状として記載してあるが、病態は当初は腸管の蠕動の低

下と消化管の平滑筋の緊張の低下(弛緩)する嘔吐期。次に蠕動運動の周期的波動的に復帰。蠕動運動の

再開と共に下痢を伴うこともある(淡色便になることも多い)下痢期。蠕動運動が再開した頃(発症6-12時間頃

に半日位38-39℃の発熱することがある。これら一連の事柄は臨床の面では一般に認知されたものではない

が、ウイルス性胃腸炎の経過を理解しやすい。現に嘔吐の食中毒の場合下痢がなくとも肛門粘膜擦過検体で

ウイルスが検出されていると聞く。また将来的にその様に解明されていくのだろうと思っている(蠕動運動を評

価できる腸音図、胃拡張や腸の蠕動運動をUSGでの評価等を利用しての検討要)。嘔吐期はずーっと嘔吐し

ている訳ではない。強かったり楽になったり波を打ちながら軽快していく。ノロウイルスなどは下痢をしないこと

も多い。よく見かける一つの症例をみてみよう。

    症例:受診前日寝るまではいつもと変わりなく夕食も7時頃普通に食べていた。朝腹部違和感を訴え朝

       食摂らず、午前10時過ぎ38.0℃の発熱と嘔吐で受診。腸雑音低下。tugor:good、他:physicalnp

       。U/Anp keton(-)。

    このような症例は日常ありふれた症例である。しかし、この様な例はアナムネーゼを良く聞けば吐物は

    昨日の夕飯の残渣か胆汁が多い。夕飯が混入しているという事は昨夕から消化管の動き(=蠕動運動)

    が落ちている事になる。即ち発症は昨夕即ち15時間前に発症し、その発症して半日位して発熱が加わ

    ったのである。一見発熱の為の嘔吐の様に捉えられているがアナムネーゼをしっかりとれる様にしたい

    。中には発熱しない例も多い。夕食が混入していなくて最初から胆汁を嘔吐する児もあるが、その場合

    は夕食が胃を通過した後多分午後10時以降に発症したもの(間近ではなく)と思われる。吐物によって

    発症の時期を想定しうる。ノロウイルスはこの嘔吐期が殆どで波打って3日位で改善する。ロタは1日目

    嘔吐が激しく、その後の下痢期にも蠕動運動が弱まり嘔吐する場合がある。アデノは嘔吐期がないか

    あっても1日位で軽い。嘔吐の処置をする場合、そのphasephaseに合わせて処置をするべきである(

    詳細は経口補液で詳述)

     発熱は発症後半日から1日後に半日位38.039.0℃出る事はあるが24時間以上は続かない(例外:

    脱水)。なお、細菌性の場合は発熱が先行し、半日位遅れて消化器症状が出る事が往々にある。下痢

    は、ノロウイルスの下痢期は短く、ない場合も多い。ロタウイルスは嘔吐の後下痢期が長く全経過7日

    位かかり、乳糖不耐症を合併することもある。また、脳症等他の臓器の疾患を合併することがある。ア

    デノウイルスは軽い嘔吐期の後5日間位下痢期が続く。

[参考文献]
American Academy of Pediatricus. Adenovirus infections. Red Book 29th ed 220-222,2012Matson D.O,
In:Feigin R.D. ed Textbook
 Pediatric Infectious Disease 6th ed.:Caliciviruses.Philadelphia:Saunders. 2009:2213-2227
Ward E.L. et.al .In:Feigin R.D. ed Textbook of Pediatric Infectious Disease 6th ed.:Rotaviruses.Philadelphia:Saunders. 2009:2245-2270
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感染性胃腸炎  
   感染性胃腸炎とは病原体(ウイルスや細菌)による消化器症状(吐き気/嘔吐と下痢のどちらかあるいは両

)を呈する疾患でウイルス性胃腸炎と細菌性腸炎の称である。病原体によらない吐き気や下痢もあるので

経過などで鑑別が要。下痢をしている場合糞便の性状で鑑別する。細菌性の腸炎の場合糞便の粘液に炎症

細胞(好中球の集塊:膿)が原則として存在する。特殊な場合の例外としてVibrio,ETEC等外毒素(Exotoxin)

よるものがある。嘔き気/嘔吐だけでは鑑別できない。なお糞便粘液中の炎症細胞はトイレの水などに接触し

た糞便検体は細胞が膨化・破砕しているので不適である。糞便の鏡検なし(粘液中)の診断は疑問である。

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溶連菌感染症  
   一般的にA群の溶血性連鎖球菌の感染症を指すのでそれについて記載します。溶連菌は病原菌として色々

な側面が明らかになっています。1:病原菌であると同時に常在菌であることの側面。2:細菌の侵襲による細

菌感染症としての側面。3:菌体に対する生体の抗体に対する自己免疫反応による側面。 4:細菌の菌体外

毒素による症状の側面。5:その他


1:常在菌

    健康保菌者は5~40(通常2030)いる。溶連菌感染症を示唆するような症状や所見(出血性粘

   膜診,猩紅熱様発疹,滲出性・潰瘍性・膜性咽頭炎等)がなければ迅速検査(+)だからと言って感染してい

   る訳ではなく保菌しているだけの状態であり、また健康保菌者は治療は不要である。溶連菌性咽頭炎の

   場合培養するとβー溶血の連鎖球菌のコロニーが隙間ない位血液寒天培地を埋め尽くす。試薬会社は

   感度を競っているが感度は低い方が結果に惑わされない。感度は105乗/ml以上の(感度が悪い)方が

   確実性がある。

2:細菌感染症

    未だPc耐性の世界中で溶連菌は報告されていない。その為狭スペクトラムのPcGが推奨されているが

   製剤の供給の問題や味の問題でAMPCを使用している所が多いし推奨もされている。lactamase産生菌

   のPC不応例のCEX代替報告により当院ではCEXを使用している。咽頭炎の場合抗菌剤ですぐ解熱し2

   4時間で除菌され、感染力はなくなる。感染症としては通常の細菌感染症と同じような治療・対処すれば

   それだけであるが、3の免疫学的側面により2才以上は長い間抗菌剤が今の所必要である。

3:菌体に対する生体の抗体に対する自己免疫反応

    リュウマチ熱、溶連菌後糸球体腎炎、PSRAPANDAS等がこれに当たる(PSRA,PANDASは成書参

   照)。これらを予防するため10日間PCを服用(あるいは注射)する事になっている。溶連菌は細胞壁のM

   蛋白抗原型で分類されリュウマチ熱は1.3.5.6.18.19.24、急性糸球体腎炎は1,6,12と関連があるとされてい

   る。咽頭炎は1,3,5,6,12,18,19,24で膿痂疹は49,55が多いとされている。色々な抗菌剤で色々な投与日数

   で比較している文献は出ているがendpointは除菌ではなくリュウマチ熱や糸球体腎炎の発生率であるべ

   きだし、感染そのものではないので感染が制御できれば10日も抗菌剤は必要ないはずだし、だからと言

   って常在菌としていても治療は必要ないし、炎症を起こした過去だけで(つまり常在菌)を除菌する意味が

   あるか私は理解できない。確実に判っている事はPc10日間投与によってリュウマチ熱や糸球体腎炎を

   予防できたという事実だけである。

4:感染症そのものの症状と特殊な例で成書に譲る。

[参考文献]
Fisher R et al. Pediatric Infectious Disease 5th ed. NewYork. Wolters Kluwer.:2017:17-28
Kaplan E L et al. In:Feigin et al ed. Textbook of Pediatric infectios disease 6th ed: GroupA,GroupC, GroupG Beta-Hemolytic Streptococcal   infections vol1. Philadelphia. SAUNDERS. 2009:1225-1234
田島剛 .in:日本小児感染症学会編. 小児感染症マニュアル2017:A群レンサ球菌.2017:3-7
Denny CF et al.Prevention of rheumatic fever: teatment of the preceding Streptococcic Infection. NEJM. 1950:143:151-153,
Disney FA et al. Cephalexin and Penicillin in the Treatment of Group A β-Hemolytic Streptococcal Throat Infections. A J Dis Child1992:146:1324-1327
Brook I et al. The role of β-Lactamase-Producing Bacteria in the Persisitence of Streptococcal Tonsillar Infection . Rev Infect Dis:1984:6:601-607
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自家中毒(アセトン血性嘔吐症)  
   従来から「自家中毒」は「周期性嘔吐症」「アセトン血性嘔吐症」と色々名前が付けられている。この中から周

期性ACTH・ADH放出症候群、腹性てんかんや尿素サイクル異常症が別の疾患となり、色々な疾患がふくまれ

ておりまだ本態が不明のままの状態である。欧米では国際頭痛分類では片頭痛に分類されている。また脂質

代謝から説明されている文献も多い。私は糖の供給が本態であるケトン血性低血糖症に病態が近いもので低

血糖までに至っていない状態でははないかと思っています。  

 3歳位から小学6年生位の児が上気道炎や感染性胃腸炎等感染症の病初期、熱もないのに頭痛や元気が

ない風邪や吐き下しなど感染症、これは他に喘息発作や頭部打撲などの時にも起こす時があります。初期は

熱がなくても頭痛を訴えたりゴロゴロしたりし、軽く腹痛や吐き気を訴え食欲が減退。進むと嘔吐が始まります

。繰り返す嘔吐により脱水になることもあります。診断は尿(血)中のケトン体が出ている事で確認します。風邪

をひく度に何度も何  度も自家中毒が加わる児もいます。

治療は一度だけ糖を沢山摂る事で楽になりますが、自家中毒の状態の時は吐き気がなくても甘いものを嫌が

りますが摂取する事で楽になります。嘔吐が始まれば嘔吐は嘔吐の時の処置に準じます。   

 さて、先に述べたようにこの疾患の本態はまだ解明されていません。種々の疾患が含まれている可能性が

あります。感染性胃腸炎で摂取できなくなると、飢餓により脂肪が利用されその分解産物であるケトンが産生

されるので、疾患そのものでケトン体が出てくるのかこの自家中毒が加わってケトン体が出てくるのか判断で

きません。吐き下しで3才以上の児に嘔吐が収まり難い児が時々見られるのはこの自家中毒が加わっている

のではないかと私は思  っています。また片頭痛の小児周期性症候群分類の周期性嘔吐症ではケトン体の

有無は診断基準に含まれてはいません(私がここで言っている自家中毒とは別の疾患になるのかもしれませ

ん)。ケトン体が嘔吐を惹き起こすと説明している文献がありますが、ケトン食という食餌療法もあるのでケトン

体は原因ではなく結果だと私は思っている。ともかくケトン体が産生されるという事は脂肪が崩壊されそのエネ

ルギーを使用せざるを得ない異常な状態であります。   

私は脱水がない状態では脂肪代謝の異化を一過性の高血糖で是正し糖を正常に利用できるようにすれば症

状は改善します。

[参考文献]
香坂隆夫:アセトン血性嘔吐症, 新小児科学体系17B 小児代謝病学II, 179-206, 中山書店, 1984
疋田敏之:小児周期性症候群, 脳と発達, 125-128, 2012
Sperling M A, in Kliegman R M et al ed. Nelson's Textbook of Pediatrics 21ed.: Ketotic hypoglycemia: E Philadelphia, liserver, 2018:859
                                                       TOPへ
細菌性腸炎
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