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一般的な予防接種の説明等は『VPDを知って、子どもを守ろうの会』のHPを参照して下さい。 | ||||
日本では1986年から垂直感染(母から児への感染)防御として開始されるも諸外国の全 員接種方式と汗や涙でも感染するという報告や保育所等での流行等により、2016年生ま れの児から定期接種となりました。また、無症候性キャリアのまま人に感染させながら一生 終わる人もいるが、成人病などの健診でがんが見つかり、抗がん剤や免疫抑制剤を使用す ることでB型肝炎ウイルスの再活性化(デノボ肝炎)をきたすことがある。定期接種になる前 に出生している人は、そういう意味で親元にいる間にワクチンを接種しておくのが良い。今 の所3回の接種であるが11~20年後に4回目の接種が加わるかもしれない。 [文献] 平成16年佐賀県B型肝炎集団発生調査対策委員会. 保育所におけるB型肝炎集団発生調査報告書について S Kashiwagi et al. An Outbreak of Hepatitis B in Members of a High School Sumo Wrestling Club. JAMA 1982 : 248: 213-214 Haruki Komatsu et al. Tears From Children With Chronic Hepatitis B Virus (HBV) Infection Are Infectious Vehicles of HBV Transmission. Experimental Transmission of HBV by Tears, Using Mice With Chimeric Human Livers. J Infct Dis 2012: 206: 478-485 |
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1998年にRotaShieldと名称で米国で市場に出たが腸重積が多数報告され発売中止とな {文献] |
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私はこのワクチン(B型インフルエンザ桿菌ワクチン(ウイルスのインフルエンザと別物))が乳幼児時期で一 番重要なワクチンだと思っています。殆どの小児科医はそう思っているでしょう。このワクチンが出るまでは 乳児期早期で一番多い重症感染症でした。全国で毎年400~500人(石川県で6-8人)の乳幼児がこの菌の 髄膜炎で生死をさまよっていましたが、このワクチンで皆無に近くなりました。肺炎球菌ワクチンと共にこのワ クチンの接種の有無で乳幼児の発熱疾患へのアプローチが全く変わってしまいました。生後2か月になった ら早々に接種しましょう。 [文献] |
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ヒブの次か同等に乳幼児が感染して重症化する菌に対するワクチンです。ワクチンが接種されるまでは毎 年100名近い数の報告がなされていたがワクチンの定期化等の普及で半減したがまだ髄膜炎など重症化の 報告がなされている。肺炎球菌は93の血清型があり、その内重症化しやすい13の型が小児用の肺炎球菌 ワクチンに、23の型が老人用の肺炎球菌のワクチンに入っている。乳幼児はTリンパ球反応性が低いので 小児用のワクチンには T 細胞依存性の抗体産生を惹起してメモリー効果をもたらす作用があるアルミニウ ムアジュバント等が含まれてコンジュゲートである。その為ワクチン普及後は含まれている型の肺炎球菌に よる重症な感染症は接種してあればほとんどなくなったが、報告されるのはワクチン非含有株である。ヒブと この肺炎球菌のワクチンで髄膜炎は激減したがその導入に元千葉大学教授の上原すず子先生の功績は忘 れられない。 [文献] |
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D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風、IPV:不活化ポリオワクチンの略 日本と欧米(ex米国)と接種時期、接種液の相違があり、留学や長期滞在の場合日本国内や現地でで追加 の接種が必要になる場合がある。なお諸外国で留学する場合接種を義務付けている所が多い。 *D(ジフテリア) ワクチンの普及で最近殆ど発生はないが、1990年旧ソ連邦の崩壊でジフテリアが大流行しワクチン接 種の重要性が再認識された。 *P(百日咳) *IPV(不活化ポリオワクチン) [文献] |
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乳幼児の粟粒結核等重症結核の予防に効果はあるが、成人型結核には効果が疑問視され、接種対象者 は1歳未満になった。 |
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日本でも入学・就職にこのワクチンを接種を義務付けている所が多くなった.接種してないと留学はもちろん 、進学・就職で制約を受けることを覚悟しなければならない。なお、現在混合ワクチンだけで単独ワクチンは ない。 *麻しん 現代・日本でも1500人に1人は死亡する感染力の強い疾病である。麻しんのサーベイ、ワクチンの普 及には全国で石川県は先鋒的な立場にあり、麻しんの診断、麻しん迅速把握事業、感染症サーベイ、 修飾麻疹の啓蒙、麻しん対応マニュアル、2回の麻しんワクチン接種など石川県小児科医会の麻しん ゼロ作戦委員会と石川県、金沢市の果たした功績は大きく2004年に第二回日本小児保健協会の実践 活動助成で表彰を受けた。 *風しん 参考:ワクチンが開発される前の1964年米国の風疹大流行が、日本に返還される前の沖縄で流行し408 |
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定期接種として1回の国もあるが2回接種が多い。日本は2回接種である。1回の接種で感染防御できる 値まで抗体が上がらないことも多く.2回目までの接種期間が3か月から5~6年と色々な国がある。独国は 4~6週を推奨、米国では5年である(流行状況、麻しん等との混合ワクチンとの兼ね合いで決定)。日本は6 か月をとっているが3か月から接種できる。当院では保育所等集団生活にある児は3か月、そうでない児は 6か月間隔で接種している。 なお、老人用の帯状疱疹ワクチンとして小児のワクチンと同じものも認可されているし、不活化ワクチンとし てサブユニットワクチン「シングリックス」も認可されている。 また、欧米では老人用に高力価の生ワクチン(ZOSTAVAV)も使用されている。) [文献] 国立感染症研究所:水痘ワクチンに関するファクトシート(平成22年7月7日版). 第11回 厚生科学審議会感 染症分科会予防接種部会 資料.2010 |
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定期接種として標準的接種として3歳以上になっているが6か月から定期接種として接種できる。小児では ワクチンをしていない3歳未満の児の発症しており、2016年日本小児科学会はブタの日本脳炎抗体保有率 が高い地域の小児に対しては生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種の開始を推奨している。 石川県の河北潟周囲の約1800匹の蚊から7/40にRT-PCRで日本脳炎ウイルスを検出したと報告している 。また2005年石川県の豚の日本脳炎抗体保有率は100%であった。北陸地方でも6か月から日本脳炎のワク チンを接種した方が良いと思われる。 なお、中国をはじめ諸外国と日本のワクチン同士の互換性がない場 合があるので国を跨いでの接種に注意しなければならない。 [文献] 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会:日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について.2016 竹上勉:ウイルス性感染症の診断、疫学及び予防に関する研究 日本脳炎ウイルスの疫学.厚生労働省 厚生労働科学研究費国際協力研究事業平成17年度総括研究報告書 12. 2005 日本感染症研究所感染症情報センター:ブタの日本脳炎HI抗体朋友状況調査速報-2005年17報(最終報)-. https://www.niid.go.jp/niid/ja/y-sokuhou/2216-yosoku-jerapid.html(2020.06.15) |
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当院は米国小児科学会(APA)の接種スケージュールの方法で接種をしております。すなわち6か月~3歳 未満は2回接種、3歳から9歳未満は前年接種してあれば2回接種、9歳以上は前年接種関係なく1回接種 の方法で実施しています。超過死亡率とかtest-negative designという統計処理をしてワクチン接種の有効性 を享受できるレベルである。もっと有効性が目に見えるワクチンの出現が望まれる。 [文献] 福島若葉, 他. 厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)ワクチンの有効性・安全性の臨床評価とVPDの疾病負荷に関する疫学研究 平成30年度総括・分担研究報告書, pp 27-39, 2019] American Academy of Pediatrics: Influenza. 2012 Repot of the Comittee on Infectious Disease (Red Book)29ed 439-453. 2012 |
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以前、麻しん・風しんとこのおたふくかぜ(ムンプス)の混合ワクチン(MMR)が実施されたが、ワクチン株の おたふくかぜウイルスによる髄膜炎が多発し、中止となった経緯がある。欧米で使用されているMMRではそ のような事はない。この日本のMMRに使用されているムンプスワクチン株と欧米で使用されているワクチン 株の違いだろうと推測されているが実際の所不明である。 日本の混合ワクチンMMRを製品として1本とし てではなくMRとMを分け同時に接種しても同じであるしそのようなデーターがあるにもかかわらず同時接種 が日常的に行われている。当院では同時接種はしていない。将来的にはメルクのMMR、あるいは日本のM RにメルクのJeryl Lynn株のムンプスワクチンを混合するか、あるいはMRに新たなシーズロッド法で継代さ れた星野・鳥居以外の株で混合ワクチンにするかであろう。しかし日本国内で新規ワクチンの治験開発は制 約が多く出来るのだろうか? [文献] |
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悲惨な子宮頸がんを予防する世界的な評価のあるパピローマウイルスに対するワクチンである。政局の中 で採用されたものだがその接種後後遺症報道のマスコミ暴走で積極的勧奨ががなくなったが、定期接種とし 居残っていてまた居残るべきワクチンである。日本での騒動(接種後異常神経症状)があっても世界的な評 価は変わっていない。ワクチンとして2価と4価の2週類あるが、お互いの互換性はない。対マスコミ運動で村 中璃子氏はジョン・マドックス賞を受賞。(参考:村中璃子著:10万個の子宮.平凡社 2018) [文献] 国立感染症研究所:ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する ファクトシート (平成22年7月7日版). 第11回 厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会 資料.2010 |
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侵襲性髄膜炎菌感染症は致死的な感染症で、欧米では定期接種としてされている国が多い。髄膜炎ベル ト(アフリカ、中東のサハラ砂漠以南、セネガルからエチオピアにかけての帯状の地域に含まれる国)へ行か れる方は必ず、そして長期間外国で居住の予定の人や規則で警察や自衛隊の人は接種が勧められる。そ れ以外に無脾症、補体欠乏症(C3,C5,C9)の人も場合は接種が勧奨される。後者の免疫不に関しては5年毎 の追加接種が勧められる。日本では1種類のワクチンしか認可されていない。 |
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